就職や転職の活動の際に、求職者が書類選考や面接試験に備えてあらゆる準備をする必要があるというのは良く知られていることです。
しかし、視点を変えて良い会社に入るのではなく、良い採用を行うためには求職者側の努力だけではなく、採用を行う企業側の努力も必要不可欠なものとなっています。
とくに面接は重要です。
人事・面接担当官は営業力が重要
企業においてどのような人を採用するのかという人事担当者の仕事は、幅広いものです。
ただ就職試験をすればよいというものではなく、まず求人情報を求職者に知らせることからはじまり、求職者を集めて、その中からどのような人を採用するのかという採用条件を定めます。
そして、集まった求職者がその条件を満たしているのか、満たしてるのならばその求職者から差を見つけて選ぶという行為を、少ない情報から見極めなければなりません。そのような仕事内容から、人事は営業であるとも言うことができます。
会社の魅力を求職者に伝えるための、魅力的な文章力や会話力も必要であれば、面接などでおそらく緊張しているであろう求職者から必要な情報を聞き取らなけばなりません。
営業マンは商品の魅力を消費者へと言葉を尽くして伝えるとともに、消費者の商品に対する疑問や不安を解消するための優れた話術も必要となります。
それらと同様にして、人事担当者が会社の魅力を求職者へと伝えること、そして会社に対する疑問や不安を解消するという行為は、会社を求職者に売り込むこととほとんど同意です。
そのため、売り手市場を勝ち抜くためには、人事担当は営業マンであるべきでしょう。
人事に必要な技能と求められる魅力
面接官は営業ができる人が良い、人事担当はトップ営業マンであるべきといいます。
会社の魅力を伝え、求職者を選別するためには営業力が必要です。人事や面接には、求められる技能というものがあり、その目的は会社の魅力を求職者に伝え、良いイメージを求職者に与えるということです。
求職者がその会社のイメージや魅力を知る場面というものはある程度限られています。
求人広告や就職相談会などがそれらにあたりますが、面接などの就職活動中においても同様です。求職者たちは、その会社がどのような対応をとるのかということでその会社のイメージをはかっています。
とくに面接ではその会社の人と直接対面する数少ない場でもあり、会社のイメージは「面接官」で決まると言っても過言ではありません。
優秀な求職者は「面接官」から会社の実力を見抜くことすらあるので、良いイメージを持ってもらい、かつ評価してもらうためにも甘く見てはいけないのです。求職者にとって魅力的な面接官・人事担当者の人物像の条件はいくつかあります。
求職者と対等な立場で話を進めていくこと、そして真摯な態度で面接に取り組み、丁寧な言葉遣いと態度で取り組むことが重要です。これらは、対人において重要なことであり、これを満たす面接にはテクニックがあると言えます。
面接に必要なテクニックとその効果
求職者に対して良いイメージを与え、求職者の情報をうまく聞き取る面接にはテクニックがあります。
まずは魅力的な人物像を与えることで、丁寧な態度と言葉づかいが重要です。そもそも数ある求人の中から自社を選び応募してくれること自体が非常に貴重なことであるので、面接で来社してくれたら感謝・感謝・感謝という態度を示すことは大切です。
また、より良い採用を行うために、緊張しているであろう求職者の緊張を和らげるような言葉を面接の始まりや最後に入れることも重要です。
そして、いまだ表現が未熟である求職者の伝えたいことをうまく聞き出す質問力・会話力も必要です。
これらのテクニックを身に着けて面接に臨むことでいくつかのメリットがあります。再三言っている会社のイメージを良くみせることもそのうちのひとつですが、これは採用試験そのものにも重要なメリットがあります。
もしイメージが悪ければ、求職者が内定辞退をしてしまう可能性があります。そうすると、今までの試験が無駄になってしまい大きな損失となります。面接のテクニックを身に着けることにより、面接の精度そのものが向上します。
テクニックをもっていないと、単純な好悪によって選びがちですが、必要なことを聞き出すことができればより有力な人材を確保できます。また、実際に有能に面接官が働いている姿を見せることで、求職者に働くことがどのようなものかを知らせることができ、採用後にも良い影響を与えることができます。
実際にどのように面接テクニックを身に着ける?
面接官トレーニングにまず必要となるものが、どのような人材を採用するのかの人物像を共有することです。
これにより評価の基準と観点を共有します。そして、どのように面接を進行するのかを把握し、具体的に評価に必要となる質問を行うテクニックを磨いていきます。
そして、それらを評価するテクニックも身に着けます。さらには、求職者や面接官自体が抱きがちな心理的な注意点やしてはいけないことなどの面接における必要知識を身に着けることもトレーニングです。これらのテクニックを身に着けるためによく行われているものとしては、面接ロープレです。面接ロープレとは、求職者が面接に備えて配役を決めて面接を模してみるものの面接官バージョンであり、良い面接のためには面接官も面接のロープレが必要です。
面接官と求職者との配役に分かれて、さまざまな状況を想定することで、質問力や評価の力も身につくので面接の精度が向上します。
さらには、準備や経験を積んでいくことで、面接官自身の自信向上につながり、より意義のある面接を行うことができるようになります。
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